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E26系客車
東日本旅客鉄道(JR東日本)が1999年(平成11年)に製作した寝台客車である。
1988年(昭和63年)に運転を開始した「北斗星」をはじめとする
首都圏 - 北海道連絡の寝台特急について、
設備を一新した新系列の客車群として投入された。
2013年(平成25年)に九州旅客鉄道(JR九州)の
クルーズトレイン「ななつ星in九州」用客車が登場するまで、
JRグループが新造した唯一の新系列客車だった。
また日本の客車車両としては本格的にステンレス車体を採用した唯一の系列である。
1989年(平成元年)に製作した24系客車「夢空間」の使用経験も参考にし、
すべての客室を2人用A寝台個室で構成し、
高水準の接客設備をもつ寝台列車として開発された。
1編成(12両)が製作され、1999年(平成11年)7月16日に、
上野 - 札幌間の寝台特急「カシオペア」の愛称で営業運転を開始した。
以降、現在に至るまで、北海道 - 本州連絡系統を代表する列車として運用されている。
2000年(平成12年)度第43回鉄道友の会ブルーリボン賞受賞。
カシオペア(Cassiopeia)
東日本旅客鉄道(JR東日本)、IGRいわて銀河鉄道、
青い森鉄道および北海道旅客鉄道(JR北海道)が、
上野駅 - 札幌駅間を東北本線・いわて銀河鉄道線・青い森鉄道線、
津軽海峡線(津軽線・海峡線・江差線)・函館本線・室蘭本線、
千歳線を経由して運行する寝台特別急行列車である。
本州と北海道を乗り換えなしで直結する寝台特急列車としては、
すでに1988年(昭和63年)から「北斗星」が、
1989年(平成元年)から「トワイライトエクスプレス」が運行されていた。
これらの列車はいずれも高い人気を誇っていたが、
さらなる高水準のサービスを提供するフラグシップトレインとして、
全客室を2名用A寝台個室とするなど、JR東日本が新規に製造したE26系客車を投入し、
1999年(平成11年)7月16日から運行開始した。
全客室が2名用A寝台個室であり、
他の寝台特急列車よりも高額な本列車専用の寝台料金が必要となるにもかかわらず、
人気の高い列車で、なお、本列車は後述するが毎日運転ではない臨時列車扱いであり、
鉄道情報システム(JRシステム)が運営するJRグループ共通の予約状況検索サイト
JRサイバーステーションでは検索対象外となっているため、
代わりにJR東日本のウェブサイト「えきねっと」および、
JR北海道の予約サイトにて確認できるようになっている。
スロネフE26形
展望室をもつA寝台車で、1両が富士重工業で製作された。
上野方の編成端部、1号車に組成される。
大型の曲面ガラスを設けた展望室付個室「カシオペアスイート」を車端部に1区画、
重層方式(メゾネットタイプ)の個室
「カシオペアスイート」を中央部に3区画設け、
客用扉の隣接位置に車掌室を設ける。
定員11名。
画像番号DSC 4405.JPGの画像は、
1号車 スロネフE26−1
新製落成日、1999(平成11)年4月8日、新製配置、尾久、製造、東急車輌
スロネE26形
A寝台車で、1両が富士重工業で製作された。
編成の2号車に組成される。
車端部に「カシオペアデラックス」1区画、
メゾネットタイプの個室「カシオペアスイート」を中央部に3区画設け、
客用扉の隣接位置に共用トイレと公衆電話を設ける。
画像番号DSC 4410.JPGの画像は、
2号車 スロネE26−1
新製落成日、1999(平成11)年4月8日、新製配置、尾久、製造、富士重工
マシE26形
1両が東急車輛で製作された。
本系列の食堂車「ダイニングカー」として、編成の3号車に組成される。
2階建ての構造を活用し、1階部分を業務用室・通路とし、
2階部分を食堂としている。
これは食堂と通り抜けの通路を分離し、
乗客動線の交錯をなくすための配置で、
快適な食事のための環境が整えられる。
厨房は車端部の平屋部分に設け、
調理設備として冷凍庫・サラマンダー
(電気ヒーターによって、グラタンなどの料理に仕上げの焦げ目をつける調理器具)
ディープフライヤーなどを備える。
これは国鉄/JRの食堂車に初めて装備されたもので、
各種メニューへの対応を可能としている。
車端部の側扉は業務用で、客用扉はもたない。
側窓は両側の食堂部と通路部に設けられ、
1階海側の業務用室部には採光用の小窓を2ヶ所に設ける。
定員28名。
画像番号DSC 4416.JPGの画像は、
3号車 マシE26−1
新製落成日、1999(平成11)年4月8日、新製配置、尾久、製造、東急車輌
スロネE27形基本番台
2人用個室「カシオペアツイン」を備えるA寝台車
1両が東急車輛製造で製作された。
8号車に組成され、
車両端部にリネン類などを収納する業務用室を設ける。
2人用個室「カシオペアツイン」を備えるA寝台車で、
車両中央部の階上に4室、階下に4室の個室を配し、
両端部に平屋型個室を各々1室配する。
出入台側の平屋型1室は壁面収納式の予備ベッドを設け、
3名での使用ができる。
各車は付帯する車内設備に差異があり、番号で区別される。
定員21名。
画像番号DSC 4445.JPGの画像は、
8号車 スロネE27−1
新製落成日、1999(平成11)年4月8日、新製配置、尾久、製造、東急車輌
スロネE27形100番台
2人用個室「カシオペアツイン」を備えるA寝台車
1両が新潟鐵工所で製作された。
4号車に組成され、
車両中央部の階上に4室、階下に4室の個室を配し、
両端部に平屋型個室を各々1室配する。
出入台側の平屋型1室は壁面収納式の予備ベッドを設け、
3名での使用ができる。
各車は付帯する車内設備に差異があり、番号で区別される。
車椅子対応個室「カシオペアコンパート」を車端部の平屋部に配する。
これは車椅子利用者のために室内空間を確保し、
個室扉や洗面所などを大型化した個室で、
寝台は通常の平屋型個室からソファーベッドを省いた配置の2段式である。
客用扉は車椅子対応のため、幅を拡大したものが設けられる。
客用扉の隣接位置に車掌室を設け、監視用の側窓がある。
定員20名。
画像番号DSC 4422.JPGの画像は、
4号車 スロネE27−101
新製落成日、1999(平成11)年4月8日、新製配置、尾久、製造、新潟鉄工所
スロネE27形200番台
2人用個室「カシオペアツイン」を備えるA寝台車
2両が東急車輛で製作された。
編成の7・11号車に組成され、
車両端部に共用のトイレを設ける。
車両中央部の階上に4室、階下に4室の個室を配し、
両端部に平屋型個室を各々1室配する。
出入台側の平屋型1室は壁面収納式の予備ベッドを設け、
3名での使用ができる。
各車は付帯する車内設備に差異があり、番号で区別される。
定員21名。
画像番号DSC 4460.JPGの画像は、
11号車 スロネE27−201
新製落成日、1999(平成11)年4月8日、新製配置、尾久、製造、東急車輌
画像番号DSC 4440.JPGの画像は、
7号車 スロネE27−202
新製落成日、1999(平成11)年4月8日、新製配置、尾久、製造、東急車輌
スロネE27形300番台
2人用個室「カシオペアツイン」を備えるA寝台車
2両 (301, 302) が富士重工で製作された。
編成の6・10号車に組成され、
車両端部に共用のシャワー室を設ける。
車両中央部の階上に4室、階下に4室の個室を配し、
両端部に平屋型個室を各々1室配する。
出入台側の平屋型1室は壁面収納式の予備ベッドを設け、
3名での使用ができる。
各車は付帯する車内設備に差異があり、番号で区別される。
定員21名。
画像番号DSC 4455.JPGの画像は、
10号車 スロネE27−301
新製落成日、1999(平成11)年4月8日、新製配置、尾久、製造、富士重工
画像番号DSC 4434.JPGの画像は、
6号車 スロネE27−302
新製落成日、1999(平成11)年4月8日、新製配置、尾久、製造、富士重工
スロネE27形400番台
2人用個室「カシオペアツイン」を備えるA寝台車
2両 (401, 402) が新潟鐵工所で製作された。
編成の5・9号車に組成され、
車両端部にミニロビー(約4席相当)
自動販売機を設け、当該箇所には側窓がある。
車両中央部の階上に4室、階下に4室の個室を配し、
両端部に平屋型個室を各々1室配する。
出入台側の平屋型1室は壁面収納式の予備ベッドを設け、
3名での使用ができる。
各車は付帯する車内設備に差異があり、番号で区別される。
定員21名。
画像番号DSC 4450.JPGの画像は、
9号車 スロネE27−401
新製落成日、1999(平成11)年4月8日、新製配置、尾久、製造、新潟鉄工所
画像番号DSC 4428.JPGの画像は、
5号車 スロネE27−402
新製落成日、1999(平成11)年4月8日、新製配置、尾久、製造、新潟鉄工所
カハフE26形
1両が当時の新潟鐵工所が製造した構体を購入のうえ、
ノックダウン方式により、
JR東日本大宮工場(現在の大宮総合車両センター)で製作された。
「ラウンジカー」として、札幌方の編成端部、12号車に組成される。
国鉄/JRの集中電源方式固定編成客車の電源車において、
製作時から客用空間を併設した初の車両である。
車体中央部の床面を嵩上げし、高床としたハイデッカー構造で、
床上部から編成端部までを共用空間のラウンジ・展望室(合計18席)としている。
展望室は大型曲面ガラスを用いた密閉式で、
スロネフE26形の展望室とは意匠が異なる。
連結面側の車端部に業務用扉・車掌室・公衆電話・売店用スペースを設ける。
床下空間には発電設備として、
定格出力520psのDMF15AHZ-G(コマツSA6D140-H系)型ディーゼルエンジンと、
440kVAの三相交流発電機とを2組装備する。
定員18名。
画像番号DSC 4466.JPGの画像は、
12号車 カハフE26−1
新製落成日、1999(平成11)年4月8日、新製配置、尾久、製造、大宮工場