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コキ50000形
日本国有鉄道(国鉄)がフレートライナー輸送用として、
1970年(昭和45年)度から1976年(昭和51年)度にかけて、
製作した貨車(コンテナ車)である。
1970年(昭和45年)から1974年(昭和49年)までに、
3276両 (50000 - 53275) が製作された。
初年度製作の275両 (50000 - 50274) と以降の車両とでは、
台枠側面ブレーキコック操作穴の個数が異なるなど外観・仕様の差異がある。
後年、コキフ50000形の車掌室を撤去し、
本形式に編入する改造を実施した車両は一般車の続番で付番されている。
本系列は製作から35年を超え、後継車両開発の計画が実施され、
本形式を順次淘汰する計画で、一部の車両の廃車が発生している。

画像番号DSC 5639.JPGの画像は、
コキ50000形
コキ50109
新製落成年、1970(昭和45)年、製造、川崎重工
廃車

画像番号DSC 2762.JPGの画像は、
コキ50000形
コキ52296
新製落成年、1972(昭和47)年、製造、三菱重工
廃車

画像番号DSC 2757.JPGの画像は、
コキ50000形
コキ53007
新製落成年、1972(昭和49)年、製造、川崎重工
廃車


コキ73形
日本貨物鉄道(JR貨物)が各種海上コンテナ輸送用として、
2016年(平成28年)度に製作した貨車(コンテナ車)である。
JR貨物におけるISO規格の海上コンテナ輸送はコキ100系とコキ200形で行われており、
高さ8 ft 6 in (2,591 mm) の標準コンテナは、
東海道本線・山陽本線など各線区での輸送が可能であるが、
国際海上コンテナで多用される高さ9 ft 6 in (2,896 mm) の背高(ハイキューブ)コンテナは、
多くの線区でトンネルなど建築限界を支障するため、
東北本線系統の東京貨物ターミナル - 盛岡貨物ターミナル間の輸送に限定されていた。
JR貨物では車両限界の小さい線区でも背高コンテナの輸送を可能とするため、
小径車輪を使用して車体中央部を低床化したコンテナ車を試作することになり、
2016年にコキ73形が登場した。

画像番号IMGP0254.JPGの画像は、
コキ73−1
新製落成日、2016(平成28年)1月8日、製造、日本車輌


コキ104形
途中駅での増結・切り離しが発生する運用に充てるため、
1両単位での運用ができるよう仕様を変更した形式である。
コキ103形のブレーキ装置に電磁弁を追加し CLE 方式ブレーキ装置とした構造で、
コキ5500形・コキ10000系など従来車の置き換え用として大量に製作された。

基本番代
1989年(平成元年)から1996年(平成8年)までに2,908両 (1 - 2908) が製作された。
1993年(平成5年)製以降 (1281 - ) は、
車体台枠の海上コンテナ積載用 IBC 取付穴を省略し、台車軸受も改良された。
1994年(平成6年)製のうち、最終製造分の8両 (1981 - 1988) は、
当時余剰となっていたクム1000系私有車運車の台車などを流用して製作された。

画像番号DSC 4860.JPGの画像は、
コキ104−14
新製落成年、1989(平成元)年、製造、川崎重工

画像番号DSC 3960.JPGの画像は、
コキ104−737
新製落成年、1991(平成3)年、製造、川崎重工

画像番号DSC 5267.JPGの画像は、
コキ104‐2870
新製落成年、1997(平成9)年、製造、日本車輌


5000番代
埼玉県資源活性化財団所有の私有貨車として、
1996年に36両 (5001 - 5036) が製作された。
同時に製作された私有無蓋コンテナ UM12A形(5000番代)を積載し、
さいたま新都心の建設残土輸送に使用された。
標記の一部以外に JR貨物所有車と相違はなく、
残土輸送終了後は JR貨物に譲渡され、一般車と混用されている。
譲渡後の番号変更はない。

画像番号DSC 5255.JPGの画像は、
コキ104‐5006
新製落成年、1996(平成8)年、製造、日本車輌

画像番号DSC 3798.JPGの画像は、
コキ104−5021
新製落成年、1996(平成8)年、製造、日本車輌

画像番号DSC 3422.JPGの画像は、
コキ104‐5032
新製落成年、1996(平成8)年、製造、日本車輌


コキ105形
1990年(平成2年)・1991年(平成3年)に40ユニット80両 (1 - 80) が製作された。
ユニット方式車両の運用効率化のため製作された、
2両ユニット方式の車両である。
奇数番号車と偶数番号車でユニットを組む。
車体構造・積載設備はコキ103形とほぼ同一である。
ブレーキ装置は奇数番号車が電磁弁を装備した CLE 方式で、
偶数車は CL 方式である。

画像番号DSC 1456.JPGの画像は、
コキ105−1
新製落成年、1990(平成2)年、製造

画像番号DSC 5210.JPGの画像は、
コキ105−69 奇数車
新製落成年、1990(平成3)年、製造

画像番号DSC 5213.JPGの画像は、
コキ105−70 偶数車
新製落成年、1990(平成3)年、製造


コキ106形
海上コンテナの積載に適応する車両として開発された汎用コンテナ車である。
1997年(平成9年)から2007年(平成19年)までに、
1162両 (1 - 1162) が製作されている。
1999年(平成11年)製以降 (405 - ) は識別のため、
当初から車体色を灰色として落成した。
同年製の最初の2両 (405, 406) は、
試験的に貨車用フラット防止装置を取り付けていた。
電源の車軸発電機と一体化した滑走検知用の速度検出器を車軸に取り付けている。
採取したデータは機器箱内部に設置した携帯電話に、
よって随時送信できる構造になっている。
2003年(平成15年)度製以降 (601 - ) は、
留置ブレーキ動作時に車側に表示板が突き出す
「手ブレーキ緊解表示装置」が設置された。
2004年(平成16年)度製以降 (713 - ) は、
応荷重ブレーキ装置の測重機構を従来の油圧式から、
コキ200形同等の空圧式に変更した。
外部塗色は当初コンテナブルーで落成したが、
製作途中から灰色に変更され、初期車も全般検査の機会に灰色へ変更された。
従来のコキ100系では海上コンテナ積載に着脱式の IBC を使用したが、
着脱の煩雑さを解消するため 20 ft 海上コンテナの積載位置を、
JR 20 ft コンテナと同一とし、さらに総重量 24 t の海上コンテナも、
1個を積載できる構造とした。
このため、荷重増の必要をも考慮して台枠強度が見直され、
台枠形状は従来型から大幅に変更された。荷重は 40.7 t である。
積載設備は 20 ft ・ 40 ft コンテナ用緊締装置をツイストロック式に変更している。
台車は軸箱支持を軸ゴム+シェブロンゴムとした FT2 形とされた。
ブレーキ装置は電磁弁をもつ CLE 方式で、1両単位での運用ができる。

画像番号DSC 3910.JPGの画像は、
コキ106−20
新製落成日、1997(平成9)年、製造、川崎重工

画像番号DSC 3964.JPGの画像は、
コキ106−537
新製落成日、2000(平成12)年10月31日、製造、日本車輌

画像番号DSC 3350.JPGの画像は、
コキ106−1133
新製落成日、2007(平成19)年7月10日、製造、日本車輌


コキ107形
コキ50000形の老朽取替を目的とする
次世代標準車として開発された形式で、
2006年(平成18年)12月に1両が先行試作され、
2008年より量産車の製作が開始された。
初年度は144両の製作を予定する。
コキ200形の構造を踏襲して設計され、
台枠の側梁はコキ104形に近い形状とされたが、
側梁補強の配置はコキ104形とは異なる。
コキ106形までの従来車は手ブレーキを側梁側面に設けたが、
本形式ではコキ50000形と同様、車体端部のデッキ上に設けた。
これは入換作業の便に配慮したものである。
ブレーキ装置は電磁弁をもつ CLE 方式で、
各車に電磁弁を装備し1両単位で運用できる。
台車はコキ200形で使用されているFT3 形を改良したFT3A 形とし、
基礎ブレーキ装置もコキ200形と同様、
ブレーキシリンダ・ブレーキテコと一体化して台車に装架する
ユニットブレーキである。外部塗色はコキ106形と同様の灰色で、
荷重は 40.7 t である。

画像番号DSC 5083.JPGの画像は、
コキ107−19
新製落成日、2008(平成20)年8月6日、製造、川崎重工

画像番号DSC 3940.JPGの画像は、
コキ107−615
新製落成日、2012(平成24)年10月24日、製造、川崎重工

画像番号DSC 5108.JPGの画像は、
コキ107−1007 JRFマークなし
新製落成日、2014(平成26)年7月16日、製造、川崎重工